外国人労働者の差別事件が近年増えています。
オリンピックなどもあり、外国人労働者が来日する機会も増えました。
この記事では、
・外国人労働者の差別事件
・外国人労働者の差別事例
をいくつか挙げさせていただきました。
就職し社内に入らなければ浮き彫りにならない問題に目を瞑る事ができず転職王となった筆者。
いつもの社内問題に対峙し改善をしてきた経緯を活かし、外国人労働者の差別事件や事例について考えていこうと思います。
<外国人労働者の差別事件・事例>
外国人労働者の差別について事件、事例をまとめさせていただきました。
人手不足問題の解消の為に、
・技能実習生
・特定技能
の制度を活かす企業も増えてきてはいるが、
「いじめ体質」「アジア人軽視」などの企業風土も少なからずあるのが実態です。
その中で、解決の糸口を見つける為に外国人労働者の差別事件、事例についていくつか挙げさせていただきます。
スリランカ人外国人労働者の強制帰国
2020年10月に群馬県の農業法人でスリランカ人技能実習生が日常的に暴力や暴言などを受けている事件がありました。
「○○へ帰れ!」などという心無い言葉は外国人労働者に対してよく投げかけられる事例です。
ひどいものになると、強制的に空港まで拉致されて母国へ帰国させられる外国人労働者もいたそうです。
これは言うまでもなく「強制帰国」になります。
これは、実際に外国人労働者であるカンボジア人の方が強制帰国にあっている映像です。
連行している女性や大柄な男性達は管理団体送り出し機関の人間です。
技能実習生の意思に反して強制的に車へ連行する法的権限などあるはずがありません。
この様子から明らかな違法行為だという事は言うまでもありません。
場合によっては「拉致」と評価されても仕方がないと思われます。
実際に多くの法律家は、「強制帰国」を刑法における有形力の行使(つまりは暴力)であり、犯罪行為であると指摘しています。
つまり暴行罪に等しいという意味合いに捉えられるのではないでしょうか。
栃木県中国人研修生の強制帰国
2007年に栃木県のいちご農園にて労働条件に不満を持った中国人研修生が労働組合に相談に行った事例があります。
これをきっかけに外国人労働者の方は解雇され、その日の内に車に無理矢理乗せられて成田空港まで連行されるという事件がありました。
空港では中国人研修生は必死に抵抗し、帰国直前に労働組合の役員が空港に駆けつけ無事保護されると言う事件がありました。
これについてもそもそも人権という概念がないような対応をされていると感じます。
これが日本人でも同じような対応をするかどうかなのですが、恐らく対応は違っているケースも多いのではないかという印象です。
山梨県クリーニング工場中国人技能実習生
2008年には山梨県のクリーニング工場で中国人技能実習生6名が労働条件の要求。
その数日後の早朝に彼女達が眠っているところを突然、社長と社員十数名が押しかけて暴行を加えました。
強制的に車に乗せ成田空港へ連れて行こうとしたところ3名は「強制帰国」
残りの3名は逃亡し、その後労働組合に保護されるという事件がありました。
この事件についてももはや人権を無視した愚行と言えるでしょう。
神奈川県の水産加工業者ベトナム人技能実習生
これがベトナム人技能実習生が管理団体に有給休暇の申し出をしただけで強制帰国させられた事件となります。
いずれももはや人権を侵害しているように見受けられます。
こういった動労問題は、大抵が道理道徳に反しているものであり企業側の身勝手な言い分を通しているように感じます。
このベトナム人技能実習生の件は、強制帰国の直前に逃亡し運良く通行人の助けを得る事ができました。
その後、労働問題に取り組むNPO法人に繋がり事をなき得た状況にあります。
<外国人労働者にとっての強制帰国問題>
強制帰国については近年重大な問題となっています。
その前に企業が外国人労働者を使う理由を簡単に説明します。
外国人労働者は企業にとって安くて従順な労働力となります。
厳しい表現になってしまいますが、中には「使えない、反抗的、都合の悪い外国人労働者は不要」という認識の企業も少なからずあります。
上記の事件、事例のような有給休暇を求めたり労働条件の改善を求めたりする外国人労働者は企業にとって都合が悪い為不要なのです。
そこでみせしめの為、圧力をかけて黙らせる為に「強制帰国」を使っています。
金銭的問題
「強制帰国」が外国人労働者にとってなぜ恐怖なのでしょうか。
・事前に借金をしている
・中途解約時の違約金支払いの約束をさせられている
「人身売買システム」として世界中からも批判させられている実態がある中、
外国人労働者は、
・多額の渡航費用
・仲介手数料
をかけて日本に出稼ぎに来ています。
強制帰国となってしまうと、借金を抱えたまま帰国する事となり本来の目的と肺に反する結果となってしまいます。
外国人労働者の差別問題の原因についてはこちらをご覧ください。
→【転職王】外国人労働者の差別問題!原因を5つにまとめてみた
強制帰国の対策
事例でいうと労働組合に加入して団体交渉をした件があります。
強制帰国後に総合サポートユニオンに加入した事例もあります。
この事例では約4年前の強制帰国の事実を団体交渉で管理団体に認めさせる事ができました。
全ての始まりは雇い止め通告を受けたカンボジア人労働者の方が労働相談をした事は始まりです。
ハラスメント、嫌がらせにより精神疾患を患った事により雇い止め通告されたが後に撤回されました。
ポイントは、
・訴えかける機関の認識
・言語サポート
・オンライン団体交渉
の3点が大きな勝因と考えられるでしょう。
インターネットの活用は、強制帰国させられた外国人労働者の権利行使に大いに役立つ事がわかりました。
今回のこの事例に関しては、送り出し期間が外国人労働者技能実習生に対して
・パスポートの取り上げ
・在留カードの取り上げ
・強制帰国
を行なっている事実を把握しました。
日本にの残る事ができた技能実習生2名と強制帰国をした技能実習生がSNSで連絡を取り協力。
労働組合に加盟し約4年前の「強制帰国」の事実を団体交渉を用いて管理団体に認めさせる事ができました。
外国人労働者の差別問題解決策についてはこちらをご覧ください!
→【転職王】外国人労働者の差別対策5選!解決策や対応まとめ
<まとめ>
外国人労働者は言語や在留資格問題などがあり「権利行使」をする事が難しい事が現状です。
そこで重要な改善策となり得るのが支援団体・管理団体の存在でした。
本来であれば、受け入れ先に法令違反がないかなど募集から受け入れまでしっかり管理する組織です。
そして一緒に闘ってくれる仲間の存在は非常に大きなものとなるでしょう。
事実、外交人労働者である技能実習生などは日本語が上手にできない事が多いです。
そういった観点から支援団体とつながる事が困難である場合が多いのが現状です。
差別とどう戦うのか、差別反対の声をあげ続けるだけでなく具体的に外国人労働者の権利闘争の支援をしていく事が差別を減らす一つの道につながるのではないでしょうか。