少子高齢化による人手不足が問題となっている昨今、外国人労働者の増加が急増しています。
外国人労働者に助けられる中、差別などのトラブルが増えています。
・外国人労働者の差別はなぜ起きるのか?
・差別問題の原因は何なのだろうか?
言葉の壁によるコミュニケーション不足やストレス、企業の人権意識や思い込みなどが原因となっている差別問題。
外国人労働者の問題差別を乗り越えて共存が必要になっていくこれからについてまとめてみました。
<外国人労働者の差別はなぜ起こるのか?>
外国人労働者の差別は、大きく分けて以下の2点に集約されると考えられます。
一つは、情報周知。
コミュニケーションや文化の違いなどが原因でしっかりと情報周知をする意識に欠けてしまう事も要因の一つです。
もう一つは、外国人労働者の身分の不安定さ。
雇用主や地域住民による悪い思い込みや人権意識の低さが要因となります。
それでは、細かくみていきましょう。
雇用主の情報周知の不徹底
外国人労働者の多くは、労働基準法を知らない為に制限を超えた労働時間や最低賃金以下の報酬などに対し法令違反であるなどと抗議になる場合があります。
本来は企業としては自社で外国人労働者に対して労働基準法を周知しなければなりません。
しかし、一部の企業は意図的に知らせずに劣悪な労働環境で働かせている現状があります。
外国人労働者は言語の問題や日本でのコネクションが少ないことをいい事に雇用主の都合で情報操作をする傾向に気を付けましょう。
外国人労働者の身分の不安定さ
外国人労働者の唯一の身分証明書であるパスポートを取り上げる企業が続出しています。
パスポートを盾に不当な労働条件で働かせている事例もある位です。
外国人労働者の在留資格の更新を条件に、法外な労働時間や賃金で働く事を約束した契約書にサインさせるといった事例もあります。
在留資格の更新には雇用する企業が作成する書類が必要であるという入管法の規則を利用しています。
これは立場を悪用しているとも言えるのではないでしょうか。
それでは、外国人労働者の差別問題と原因についてみていきましょう。
<外国人労働者の差別問題と原因>
外国人労働者の差別問題について原因を考えてみましょう。
まず第一に外国人労働者に対する人権意識の低さが問題の一つである事は間違いないのではないでしょうか。
その人権意識が低くなってしまう要因としていくつか考えられる原因についてみていきましょう。
コミュニケーション不全
外国人労働者の多くが抱えている問題として、コミュニケーションがあります。
実際に2019年の内閣府「企業の外国人雇用に関する分析」データで外国人労働者の定着率についてのデータが出ています。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2019/09seisakukadai18-6.pdf
外人労働者自身が抱えている問題意識調査でも言葉の壁によるもの
→外国人労働者が日本語を十分に理解できない。
→受け入れ企業が外国人労働者の母国語を話せない。
などでストレスやトラブルを招く可能性が高まってしまいます。
また、文化の違いによって、伝わり方、受け取り方などの感覚が異なり思った通りに動いてくれないなどにトラブルになりやすい。
文化の違い
生まれ育った環境が違うならば日本人同士であれど常識も異なってきます。
ましてや違う国に生まれ、育ってきた外国人労働者にとっては日本は遠い異国の地であるわけです。
文化の違いを認識し歩み寄る姿勢を持たなくては、職場環境への不満から離職という問題になりかねません。
例えば、社会保険料が給与から引かれている事によって給与の不払いなのでは?という相談もある程です。
外国人労働者の離職問題は企業にとっても重要な課題であるはずなので工夫をする事を求められます。
外国人労働者に対する人権意識
雇用企業の中には外国人労働者に対して日本人の人手不足を補ってくれる労働力にすぎないという意識を持っています。
日本では在留外国人が増えてきたもののまだまだ少ない地域も多いです。
外国人労働者に慣れていない、免疫の無い地域も多いので不信感や差別的な態度をとってしまう人も少なくないです。
高齢社会なので尚更というところもあります。
ソース元:NHK「日本で働く外国人増加「賛成」が70% NHK世論調査」
上記のデータを見るとわかるように、外国人労働者が増える事で不安を抱いている人が多い事も実態としてあります。
不信感を持つ事も相互の理解が足りていない事や、情報が足りない事、多すぎて取捨選択ができない事なども原因の一つなのではないでしょうか。
外国人労働者に対する思い込み
外交人労働者に対して不信感や排外意識を持つ大きな原因としては、
・外国人と接する機会が無い
・外国人と接する機会が少ない
というものが代表的です。
メディアでは外国人犯罪などが取り上げられ、人はわからない事に対しては不安要素になりやすいです。
外国人労働者との接点が少ない分、マイナスな印象を受けやすいのは確かにあります。
グローバル社会において企業や地域で外国人との接点を増やす取り組みも必要になると考えられます。
労働環境
技能実習生などの外国人労働者が働く場所は人材不足の業種が多いです。
長時間労働、重労働など離職率の労働環境の厳しい業種が多い傾向にあります。
ただでさえ環境の大きな変化で離職が増えがちな外国人労働者なので感覚の違いで差別が生まれてしまうリスクは高まる傾向にあります。
外国人労働者の差別事件や事例については合わせてこちらをご覧ください。
→外国人労働者の差別事件や事例4選!【強制帰国の意味を考える】
年功序列
文化の違いとも通じるのですが、外国人労働者は転職を繰り返しよりスキルアップ、レベルアップしていく事が一般的です。
日本の終身雇用、年功序列の風習とは正反対です。
そもそもの風土が優秀な人材ほど成果主義や能力主義を好みます。
そういった背景から外国人労働者の考え方や文化に配慮した受け入れをしなければ、優秀な人材程離職してしまう傾向にあります。
これは日本人に対しても同じで、少子化、高齢社会などの要因もあり年功序列、終身雇用ではどうしても営利を目的とした事業の継続が難しくなっていく傾向があります。
企業側も労働者も時代に即した在り方に対応していかなければならないかもしれません。
外国人労働者の差別について対策や解決策についてこちらの記事のまとめました!
→【転職王】外国人労働者の差別対策5選!解決策や対応まとめ
<まとめ>
この記事では、外国人労働者の差別はなぜ起きてしまうのかについて書かせていただきました。
外国人労働者の差別問題には原因があり、
・コミュニケーション問題
・文化の違い
・人権意識や思い込み
・労働環境
などの問題を解決していくべきだという事がわかりました。
問題の原因がわかれば解決策も見えてくるので、差別や偏見をなくして皆が成長し幸せになれる社会を創りましょう。