人手不足の影響で外国人労働者雇用をお考えの企業が増えています。
外国人労働者雇用のメリットは、
・少子高齢化対策
・国民の生活生産性向上
・治安維持
など様々に貢献しています。
特に日本より早く移民を受け入れに成功しているシンガポールの事例は大変参考になります。
シンガポールの例から外国人労働者雇用において様々なメリットについてみていきましょう。
<外国人労働者雇用のメリット・シンガポール編>
シンガポールでは1980年頃から2010年頃まで積極的に外国人労働者を受け入れてきました。
雇用全体の約4割が移民だと言われています。
代表的な外国人労働者雇用のメリットとしては以下の3点になります。
少子高齢化対策
日本でも問題となっている少子高齢化ですが、シンガポールでも同じように問題視されています。
国連が発表している国の総人口に対し60才以上の割合は、
2015年時点で日本が33.1%、シンガポールが17.9%
2050年には、日本が42.5%、シンガポールが40.4%
と急速に高齢化が進む見通しとなっています。
合計特殊出生率もシンガポールが1.24、日本は1.45なのでシンガポールの方が深刻である事がわかります。
しかし、経済成長率は日本が1.6%なのに対し、シンガポールは2倍以上の3.6%でした。
シンガポールの経済成長の要因として「外国人労働者が多い」という理由が挙げられます。
2017年6月時点でのシンガポールの人口は約561万人、その中で約164万人が外国人なのです。
人口が少ないシンガポールでは、
・少子高齢化対策
・出生率向上
により経済を衰退させない為の対策として外国人労働者を積極的に受け入れて労働力を確保する策を講じてきました。
日本においてもシンガポール同様、外国人労働者の雇用促進をして対策を講じる事も一つだと考えられています。
家事代行で生産性向上
シンガポールではあらゆる業種に従事する一般労働者から高技術労働者、富裕層に至るまで経済成長に貢献する人材確保戦略をとっています。
その中でも「外国人労働者」の雇用には特に力を入れているのが特徴です。
理由としては、働き盛りの世代が育児や介護で働けなくなる事で人手不足問題に発展している現状がある為です。
外国人労働者に家事代行
・デリバリーサービス
・清掃
・買い物
などを任せる事で時間を有効活用でき生産性向上効果が見込める事を狙っています。
治安維持
外国人労働者の増加に伴い、治安を心配する声があるのも事実です。
しかし、現状シンガポールは凶悪事件の発生件数が少なく良好な治安を維持できています。
理由は、厳しい法律や規制がある為です。
殺人、銃器発砲、麻薬所持→死刑
不法入国、不法滞在→鞭打ち
外国人労働者が妊娠→強制送還
これらを見るだけでも厳しい法律や規制がある事がわかります。
ただ、シンガポールは外国人労働者に対し言語やマナーに寛容で働きやすい環境を整えてくれている風潮があります。
治安維持効果も含め、シンガポールにも外国人労働者にも双方にメリットがあると言えるでしょう。
<シンガポールの外国人労働者雇用増加の背景>
シンガポールが移民政策によって成功した背景は何なのでしょうか。
シンガポールの事例から外国人労働者雇用のメリットが見えてくるかと思います。
移民政策
シンガポールでは全人口570万人の内、37%が移民で占めています。
国に対して移民の占める割合は世界平均3.5%程で移民の受け入れ数で最大はアメリカの14%です。
シンガポールはアメリカを上回る外国人労働者受け入れ比率を誇っている事になります。
シンガポールの経済成長や少子化対策の成功事例から外国人労働者を増やす移民政策がキーポイントになっている事は間違いないでしょう。
高度人材確保
シンガポール政府は1997年にシンガポール独自の人材採用プログラムを開始
・外国人労働者向け住居プログラム
・グローバル企業がシンガポールに本社や財務部門を設けると税金を優遇するといったインセンティブも提供
・高度人材を雇用する企業は、外国人雇用税は徴収されず、雇用人数も制限されない
などのプログラムを実施する事で外国人労働者が住みやすく生活しやすい環境整備を行いました。
また、国内に住む労働者に対してもより高度な技術や知識習得を促進させる意図もあり、
・高度人材サイドも一定の条件を満たす事で家族も帯同でき、永住権申請も可能
・シンガポール政府は優秀な人材には永住権、最終的には市民権(国籍)を得て、定住化する事を希望
などで国内外問わず労働者の能力と待遇を相対的に向上させる事で大きなメリットを生み出す結果となりました。
<まとめ>
シンガポール人は、
・負けたくない精神
・損をしたくない
などの意味を持つ「キアヌ」という言葉が生まれる程、負けず嫌いで仕事熱心で勤勉な人が多いです。
外国人労働者を受け入れて経済成長を遂げる仕組み作りや、法律や規制の整備より外国人労働者増加に伴う治安悪化リスクも抑える努力も結果が出ています。
日本も今後、
・少子高齢化
・人口減少
の対策の為にもシンガポールで成功している外国人労働者の推進を進めていく必要があるかもしれません。
その根本にあるのが、偏見や差別の問題です。
そもそもが島国で農耕民族という閉鎖的な文化風習を持っている民族です。
元々「鎖国」もそこから始まったのではないでしょうか。
世界から偏見や差別を無くし、シンガポールのように外国人労働者と共存していく為にも努力が必要だとも考えられます。