シンガポール政府は2010年頃から、それまでの外国人労働者の積極的な受け入れを後退させ抑制姿勢を強めています。
国民がとりわけ高技能外国人労働者への反発を強めた事に加えて、低技能外国人労働者への過度な依存が経済の持続的発展にマイナスに働くとの懸念が強まった事が背景にあリます。
この記事では、シンガポールでの外国人労働者雇用のデメリット3点
・シンガポール国民の就労機会の減少
・不動産価格の上昇
・道路や地下鉄の混雑
また、シンガポールで働く外国人労働者にとってのデメリット3点
・妊娠したら強制帰国
・結婚の制限
・労働者を技能別に明確に区別
についてまとめさせていただきました。
<シンガポールの外国人労労働者雇用デメリット3選>
シンガポールでの外国人労働者への風当たりが強くなったのは、2009年に世界金融危機の時です。
シンガポール国民の就労機会の減少
1980年〜2010年まで積極的に外国人労働者を受け入れてきたシンガポールですが、現在では雇用全体の4割程が外国人が占めています。
経済構造自体が外国人労働者が大きく占めていて依存した構造となってきている事でメリットもありますが、デメリットもあるのが実態です。
実際にシンガポールでは2010年から外国人労働者の積極的な受け入れを抑制しています。
理由としては、シンガポール国民の就労機会を奪っているという恐れから国民が高技能外国人労への反発を強めたからです。
更に、低技能外国人労働者への過度な依存が経済の持続的発展にマイナスに働くとの懸念が強まった事もシンガポールでの外国人労働者雇用のデメリットとされています。
→【転職王子】外国人労働者雇用のメリット3選!(シンガポール編)
不動産価格の上昇
シンガポールの国土面積は、東京23区程だと言われており不動産の供給は限定的です。
外国企業や外国人労働者が増加する事によって不動産の需要が急増すると見合った不動産を供給する事ができません。
受給バランスから不動産価格は上昇しやすくなってしまいます。
よってシンガポールで外国人労働者が増加する事はデメリットとなってしまう可能性が高まります。
道路や地下鉄の混雑
単純に外国人労働者増加に伴い車両が増えたり公共交通機関の利用数が増加する事は必然的です。
よってシンガポールでは外国人労働者増加の施策を立てる事と同時に、
・車両取得権利制度を設ける
・車両価格を上げる
などの施策で交通量制限をかける事でデメリットへの対応をしています。
<外国人労働者にとってのシンガポールデメリット3選>
シンガポールでは、結婚の制限や妊娠出産の禁止など定住化を回避する様々な措置が導入されています。
定住化の回避については、
・社会における低所得階層
・異文化のコミュニティの形成
などを防ぐものとされています。
要するに低技能外国人労働者の受け入れに伴う社会的コストというデメリットの極小化を狙ったものとなっています。
それでは、細かく見ていきましょう。
妊娠したら強制帰国
シンガポールでは、若い女性には半年毎に妊娠検査を義務付けしています。
妊娠していれば強制帰国させるという政策で国の社会保障などの負担を減らす為の政策でもあります。
差別的な目線が問題視されていますが、シンガポールは外国人労働者対策として成功しGDPアジアNo1です。
結婚の制限
シンガポールでは労働許可証保持者には永住権の取得資格はなく、家族の帯同は不可でシンガポール国民との結婚は事前の許可なくしては認められていません。
かなり厳しいように感じますが、これらは全て低技能労働者の定住化および政府の意図に反した増加を防ぐ為の措置です。
差別などの道徳に触れる部分はあるかもしれませんが、外国人労働者受け入れに関してデメリットを覆す措置としては成功事例となっています。
労働者を技能別に明確に区別
シンガポールの外国人労働者に関しては技能別に名家に待遇が分けられています。
例えば低技能外国人労働者は、
・定住化の回避
・社会における低所得階層あるいは異文化のコミュニティの形成を防ぐ
・低技能外国人労働者の受け入れに伴う社会的コストの極小化
などの施策が設けられていれており常駐しないよう仕組み化されています。
逆に高技能外国人労働者には、
・永住許可
・国籍付与
などで定住化を促してきている事で世界的にも高技能外国人労働者を巡る獲得競争が繰り広げられる事でシンガポールは勝ち組とされています。
シンガポールにいる外国人労働者にとってのデメリットにより一定数犯罪率上昇してしまう事もあります。
→外国人労働者雇用による治安悪化デメリット5選!【移民受け入れ例】
こういった例からも外国人労働者を雇用する場合や、外国人労働者として勤務する場合に相談やサポートしてくれるところが必要となります。
→外国人労働者 デメリット 解決策 対策
<まとめ>
シンガポールでの外国人労働者デメリットについて
・雇用側
・就労側
それぞれ3点づつ合計6点でまとめさせていただきました。
外国人労働者側にとっては、結婚や妊娠出産について厳しい規則が設けられており定住化できないようになっているのが現状です。
しかしその反面、シンガポールからしてみるとメリットもたくさんあります。
→【転職王子】外国人労働者雇用のメリット3選!(シンガポール編)
また、シンガポールの外国人労働者を雇用する側にとっては不動産価格上昇や道の混雑などもあり、国民の就労機会を奪ってしまうというデメリットも考えられます。
そういったデメリットを踏まえ、メリットを最大限に活かし外国人労働者とWINWINの関係となる事が好ましいです。
その為の施策や、企業にとっての大きなメリットについても是非ご相談いただければと思います。
外国人労働者として務める場合もサポートさせていただきます。
また、技能実習生から特定技能への切り替え相談もございましたらお声掛けください。